村松桂 作品展

「Natura naturans」

 

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◉展覧会について

この度、つやま自然のふしぎ館において
東京在住の写真家・村松桂の個展を開催いたします。


これは、ふしぎ館が1963年に開館して以来初の試みである、
現代アーティストとのコラボレーションによる展覧会となります。


 村松は写真家としての活動を始めた当初より、
イメージを重ねたり組み合わせたりする「多重露光」や「フォトコラージュ」と呼ばれる手法で
独特の写真作品を制作してきました。

その手法の裏側には、「見ること」や「記憶」に対する懐疑の念や、
「写真」と一般的に呼ばれるものへの抗いが存在し、
観る者を原初的な感覚へ立ち戻らせようとします。


 本展では剥製の目の中に、
その動物が生きていた時に見たと”剥製を見る私たちが想像する”景色を重ねたシリーズ《Ordo》をはじめ、
剥製の横顔と生息地が同じ植物のイメージを重ねて
”表情とは何か”を問うシリーズ《Theophany》などの新作を展示いたします。

村松はこの新作を制作するにあたり二度にわたってふしぎ館に滞在し、
剥製や標本の撮影を行いました。
展覧会では写真作品と被写体が同じ空間を共有するように展示されることになります。

みなさまぜひ、この機会に足をお運びください。

 

◉開催概要

会期:2019年9月21日(土)〜11月4日(月・祝)
※9月30日(月)休館

開場時間:9:00〜17:00(入場は16:30まで)

会場:つやま自然のふしぎ館
〒708-0022 岡山県津山市山下98-1

料金:博物館の入館料で観覧できます
大人(高校生以上)700円
小人(小・中学生)600円
幼児(4・5歳)400円

主催:つやま自然のふしぎ館

後援:津山文化振興財団、津山市、岡山県文化連盟

 

 

◉つやま自然のふしぎ館について

 つやま自然のふしぎ館(正式名称:津山科学教育博物館)は
津山屈指の商家「錦屋」の10代目であった森本慶三が家業を廃業し、
その資産を基に各界の著名人の協力を得て設立した私設の自然史総合博物館です。

創設者の森本は東京帝国大学在学中に、無教会主義のキリスト教で知られる内村鑑三に教えを受け、
並々ならぬ熱意を持って博物館設立に尽力しました。
現在展示品総数は2万点を超え、世界中から集められた動物剥製は800体にのぼります。

また創設者の信仰に基づいた遺言により、
本人の脳や心臓といった臓器がホルマリン液浸の状態で展示されているのも異色と言えるでしょう。


 設立当時の建物内に所狭しと並べられた標本や剥製は、
どこか「驚異の部屋」(ヴンダーカンマー)を思わせ、 訪れる者に強烈な印象を残します。

ふしぎ館は「一度訪れたら忘れられない場所」として、県内外から年間15,000人ほどが来館します。

 

 

◉作品展「Natura naturans」によせて

10年前の2009年、剥製をテーマにした作品の制作中だった私は、
初めて「つやま自然のふしぎ館」のことを知った。

そこは国内有数の剥製コレクションを誇る博物館で、
創設者の内臓が展示されているという、いわゆるB級スポットとして有名らしい。

はじめのうちは興味本位の面白半分で観ていたけれども、
博物館の設立趣旨という文章を読み2階へ上がった頃には
今まで感じたことのない震えのようなものを体感していた。

後から思うと、その時私は美術館で有名な名画を観たり、観光地で絶景を見るときよりも、
まるで心の傷になって残るほど、その場で何かを受け取ったのだ。

私は写真を始めてからずっと、あらゆるものを疑ってきたように思う。
見えること、「写真は一瞬を捉える」という言葉、
今・目の前にある世界、あるいは「あるとされている」遠い場所のこと。

10年前にこの博物館で受けた衝撃は、
展示品から臆面もなく伝わってくる創設者・森本慶三の「信じる」姿勢が与えたものかもしれない。


この展覧会は形式上私の個展ということになっているが、
本当は「信じる者」としての森本慶三と、「疑う者」としての私による二人展なのである。


2019年9月 村松桂

 

◉掲載情報

ウェブ版美術手帖:村松桂作品展「Natura naturans」

・個展なび:村松桂作品展「Natura naturans」

・ラジオ エフエムつやま「グッドモーニング!つやま」にて作家インタビュー
(2019年9月25日ON AIR)

・フリーペーパー アットタウン11月号

・山陽新聞(2019年9月27日朝刊)

・津山朝日新聞(2019年9月26日・10月30日)

 

◉アクセス

 

◯ 電車・バスをご利用の場合

JR津山駅から徒歩15分

 

<津山駅へのアクセス>

電車
・津山線(岡山-津山)(岡山から約1時間30分、快速なら約1時間)
・姫新線(佐用-津山-新見)(佐用から約1時間、新見から約1時間40分)
・因美線(鳥取-津山)(鳥取から約2時間30分)

高速バス
・大阪 - 津山(JR高速バス神姫バス
・京都 - 津山(JR高速バス神姫バス
・東京 - 津山(両備バス

飛行機
岡山空港より約70分(乗合タクシー


◯ お車をご利用の場合

中国自動車道
津山IC(大阪方面から)・院庄IC(広島方面から)出口より鶴山公園に向けて約15分
※駐車場はお隣の観光協会駐車場をご利用ください(無料)